コンポーネントの Java コードで一般的な操作は、同じページ上のほかのコンポーネントのプロパティーへの参照または値の設定です。コンポーネントのプロパティーは、ページをデザインするときに IDE で初期値を設定するものですが、取得メソッドおよび設定メソッドと呼ばれる標準のプロパティーメソッドを利用することによって、Java コードからプロパティーにアクセスできます。どの標準コンポーネントにも、プロパティーごとに取得メソッドまたは設定メソッドがあります。読み取り専用プロパティーには取得メソッドはありますが、設定メソッドはありません。コンポーネントに新しいプロパティーを追加すると、IDE によって自動的に取得メソッドおよび設定メソッドが追加されます。
取得メソッドは、プロパティーの値を返します。プロパティーの値を取得するには、プロパティー名に get を付けたメソッドを使用し、プロパティー名は先頭を大文字にします。たとえば、コンポーネントの「value」プロパティーの値を取得するには、getValue メソッドを使用します。たとえば、出力テキストコンポーネントから「 value 」プロパティーを取得するには、次のコードを使用します。
outputText1.getValue();
同様に、コンポーネントの「title」プロパティーまたは「style」プロパティーの値を取得するには、getTitle メソッドまたは getStyle メソッドを使用します。各コンポーネントプロパティーには、そのプロパティーの値を返す取得メソッドがあります。
プロパティーの取得メソッドの多くは、 String 型のオブジェクトを返します。getValue メソッドは例外で、Object クラスのオブジェクトを返します。そのオブジェクトに行う操作 (ほかのプロパティーへの割り当て、値の変更などの操作) によっては、返された値をほかのクラスにキャストしなければならないことがあります。キャストとは、あるクラスのオブジェクトを別のクラスのインスタンスに変換することです。
たとえば、テキストフィールドコンポーネントの「value」プロパティーに含まれているオブジェクトを String クラスのインスタンスにキャストするには、次のコードを使用します。
String name = (String)textField1.getValue();
「プロパティー」ウィンドウ には、それぞれのプロパティーが想定しているオブジェクトのクラスを表示する機能があります。各プロパティーのツールチップには、クラス名 (Object、String、Boolean など) だけでなく、説明的な長いプロパティー名も表示されます。また、Java エディタでのコード補完機能のヒントから、各取得メソッドが返すクラスを確認することもできます。
Boolean 型の値を持つプロパティーに対して、this とプロパティー名を使ってクエリーを実行できます。たとえば、テキスト関連のコンポーネントの「escape」プロパティー、または「disabled」プロパティーは Boolean 型です。これらは true か false の値をとることができ、各プロパティーに対して、isEscape メソッドおよび isDisabled メソッドを使ってクエリーを実行できます。Boolean 型の取得メソッドは、Boolean 型の値 (true か false) を返し、次の例に示すようなテストで使用することができます。
if (button1.isDisabled()) {
// 使用不可プロパティーのテスト
// 条件が True のとき、次を行う
// ...
} else {
// そうでない場合は、次を行う
// ...
}
// end if
設定メソッドでは、プロパティーの値を変更することができます。プロパティーの値を設定するには、プロパティー名に set を付けたメソッドを使用し、プロパティー名は先頭を大文字にします。0設定メソッドでは、プロパティーを Object、String、または Boolean に設定するための値が必要です。この値はプロパティーによって異なります。次に、例を示します。
textField1.setValue("Hello, world!");outputText1.setValue(textField2.getValue());button1.setDisabled(true);