ログと警告
関連項目
Sun BPEL サービスエンジンには、プロセスの実行中にメッセージや式の値を追跡できる機能があります。ログと警告の機能では、標準の WS-BPEL 拡張機能が使用されます。ログと警告は、ほとんどの BPEL アクティビティーでサポートされています。
IDE には、プロセスアクティビティーのログと警告を定義できる機能があります。ログは、指定する式の値やパートナーリンクの終了点参照情報をサーバーログに記録するために使用します。警告を使用すると、この情報の警告を受け取ることができます。ログと警告の条件を設定して BPEL プロセスを実行すると、ログレベルに応じて、指定した式の値がサーバーログファイルに書き込まれるか、ユーザーに警告が送信されます。
ログと警告はログ記録マッパーで定義します。ログ記録マッパーは、BPEL プロセスのデザインビューまたはソースビューのタブになっています。ログ記録マッパーは次のコンポーネントから構成されます。
- ソースツリー区画。ソースツリー区画は左側にあり、ビジネスプロセスのデータ変数やパートナーリンクにアクセスするためのツリーコンポーネントを含みます。ここでユーザーは追跡する変数を選択できます。
- メニューバー。メニューバーには、マッピングの作成に使用できる演算子、必要な要素、XPath 関数が含まれます。この機能の使用方法は、BPEL マッパーでの使用方法に似ています。
- マッピング区画。マッピング区画は、マッピングを作成するためのキャンバスを含んでいます。メニューバーで関数を選択する場合は、マッピング区画に関数ボックスが表示されます。関数が引数を受け入れる場合は、関数ボックスの左側に、各引数に 1 つずつ、コネクタがあります。引数を省略できる場合は、引数名のあとに疑問符が表示されます。関数ボックスの右側には、結果用のコネクタが 1 つあります。
- 宛先ツリー区画。宛先ツリー区画は右側にあります。ユーザーはログ記録をいつ行うか、またログのレベルを選択できます。
ログの定義
アクティビティーのログを定義するときは、次のコンポーネントの値を追跡できます。
マッピングでは、メニューバーから 1 つまたは複数の XPath 関数を使用できます。
変数の値をログに記録するには、次の手順に従います。
- 図の中でアクティビティーを選択します。ログへの記録は、アクティビティーの実行に関連して行われます。
- BPEL エディタの「ログ記録」タブをクリックします。ログ記録マッパーが開きます。
アクティビティーを右クリックし、「移動」>「ログ記録」(Alt-L) を選択してログ記録マッパーを開くこともできます。
- ソースツリー区画で、追跡する変数が表示されるまで変数のツリーを展開します。
- 宛先ツリー区画で、アクティビティーノードを展開します。ログ記録をいつ行うかを示すノードが表示されます。
- ログ記録をいつ行うかを選択し、適切なノードを展開します。
- LOG_onStart。アクティビティーの開始時に変数の値がログに記録されます。
- LOG_onComplete。アクティビティーの実行が完了したときに、変数の値がログに記録されます。
- ログのレベルを定義します。追跡する変数から、宛先ツリー区画の適切なノードまで接続をドラッグします。次のレベルのログがあります。
- Severe
- 警告
- 情報
- 設定
- Fine
- Finer
- Finest
ログが定義されているアクティビティーは、デザインビューで横に小さなアイコンが表示されます。このアイコンをクリックすると、ログ記録マッパーに表示を切り替えることができます。
ログへの記録は、変数に定義されているログレベルが、アプリケーションサーバーにある BPEL SE に指定されているログレベルに対応している場合にのみ行われます。
BPEL SE のログレベルを設定するには、次の手順に従います。
BPEL SE のログレベルを指定するには、アプリケーションサーバーの管理コンソールを使用します。
- 「サービス」ウィンドウで「サーバー」ノードを展開します。GlassFish アプリケーションサーバーが実行中であることを確認します。横に緑色の矢印のバッジが表示されている必要があります。サーバーが実行中ではない場合は、サーバー名を右クリックし、コンテキストメニューから「起動」を選択します。
- ブラウザで管理コンソールを開きます。このとき次の手順に従います。
- 「GlassFish V2」アプリケーションサーバーノードを右クリックし、コンテキストメニューから「プロパティー」を選択します。「サーバー」ウィンドウが開きます。「サーバー」区画で、GlassFish V2 が選択されていることを確認します。
- 「接続」タブで、「場所」フィールドの内容 (デフォルトでは localhost:4848) をコピーします。
- この文字列をブラウザにペーストし、Enter キーを押します。Sun Java System Application Server の管理コンソールがブラウザウィンドウで開きます。
- ユーザー名とパスワードを使用して管理コンソールにログインします。デフォルトでは、ユーザー名は admin、パスワードは adminadmin です。
- 左側の区画で「JBI」ノードの下の「コンポーネント」>「sun-bpel-engine」を選択します。 BPEL サービスエンジンのプロパティーページが開きます。
- BPEL サービスエンジンのプロパティーページで、「ロガー」タブを選択します。「ロガー」タブで、個々のロガーのログレベルを指定できます。
- ドロップダウンリストから、sun-bpel-engine に適切なログレベルを選択します。
プロセスアクティビティーにログが定義されていて、指定されているログレベルが、BPEL SE に設定されているログレベルに対応している場合、プロセスのテスト実行を行なったあと、選択した変数の値がサーバーログファイルに記録されます。
注: プロジェクトをアプリケーションサーバーに配備する必要があります。
ログファイルを表示する
- 「サービス」ウィンドウで「サーバー」ノードの下にある「GlassFish V2」アプリケーションサーバーノードを右クリックし、コンテキストメニューから「サーバーログを表示」を選択します。GlassFish サーバーログが「出力」ウィンドウで開きます。アクティビティーのメッセージ値がログに含まれます。「検索」を使用して検索できます。一部のオーバーヘッド情報は表示されません。
- ログをテキストエディタで開き、すべての情報を確認することもできます。<アプリケーションサーバーのインストールディレクトリ>/domains/domain1/log/ に移動し、server.log ファイルをテキストエディタで開きます。ログでは、次の情報が縦棒で区切られています。
- 記録日時
- ログレベル
- マネージャーの種類 (ログの場合はトレースマネージャー)
- スレッド
- メッセージの値
ログエントリの例を次に示します。
[#|2008-03-25T09:26:18.796+0300|INFO|sun-appserver9.1|com.sun.jbi.engine.bpel.core.bpel.trace.BPELTraceManager|_ThreadID=26;_ThreadName=BPELSEInOutThread8;|<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><jbi:message xmlns:msgns="http://localhost/SynchronousSample/SynchronousSample" name="input1" type="msgns:requestMessage" version="1.0" xmlns:jbi="http://java.sun.com/xml/ns/jbi/wsdl-11-wrapper"><jbi:part><syn:typeA xmlns:syn="http://xml.netbeans.org/schema/SynchronousSample">
<syn:paramA>Hello World</syn:paramA>
</syn:typeA></jbi:part></jbi:message>|#]
警告の定義
警告を定義する方法はログの場合と似ています。
アクティビティーの警告をいつ行うか、またその警告レベルをログ記録マッパーで定義します。
警告の方法 (電子メールまたはその他) と BPEL SE の警告レベルは Sun Java System Application Server の管理コンソールで定義します。
- 関連項目
- サーバーの起動と停止
- BPEL プロセスのテスト実行
- BPEL プロセスのデバッグについて
著作権と商標について